獄中で母を思う心を慈濟人がケア
手紙には、お母様のケアのほか、将来、台湾に帰る機会があれば日本語を使えるようになりたいと、決意が綴られていた。わたしは、彼の向上心とやる気に棘も感激し、グループリーダーの助けで、ボランティアにとても判りやすい日本語の本を数冊共有できました。そして、彼の日本語学習の希望を満たすべく、次の日に発送しました。
4月から7月末まで、6通の手紙を書きケアしました。私は「まだまだ人生はこれからだ」と、彼を励ましました。何事も前向きに考え、八正道(正見・正念・正念)で励ますようにしたのです。彼はまた、成長できるように努力し、母を失望させないために、もう一度親孝行をする機会を与えてほしい、と書いていました。
お母様の名前と連絡先を聞き、台湾本部と日本支部に連絡し、新竹のチームが彼女を訪ねました。最初の訪問では誰も出てこなかったのですが、たまたま母親を知っている慈済のボランティアに会い、他の子供たちと一緒に引っ越したと知りました。そこでボランティアは母親に電話して、息子さんのことを伝えました。
お母様は、経済的に余裕があるので心配はいらない、息子に何か送ろうと思っていたがコロナ禍と仕事で送れなかった、時間が許せば返事を出したい、とたいそう感謝されました。
台湾本部からの連絡を受け、私は、息子さんが安心するよう、お母様が息子さんのことを思っていて、励ましていることを手紙に書いて送りました。やりとりの中で、彼が書いた「以前はどんどん傲慢になっていったが、今は、どんどん成長しててる」という言葉に私は感動しました。数年後に社会復帰して、社会のために有意義なことに生涯を過ごせるよう、また、良い知識に触れ、悪から脱却し、善を修め、より良い未来が彼に来ることを祈ってやみません。