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真実の愛!私のベビー

「網膜芽細胞腫」と診断された三歳の子どもが小線源(ガンマ線)治療を日本で受けられないか依頼を受けました。間もなく四歳になる范ちゃんは、生後四ヶ月で眼腫瘍が見つかり、左眼は摘出、既に義眼になっています。右眼にも病変があり幾度も治療を受けましたが回復せず、日本での小線源治療が唯一の希望でした。
退院の日に、看護師さんは足につけていたリストバンドにハサミを入れ、お別れの挨拶をしました。

コロナ禍において、国を越えて治療を受ける難

慈濟ボランティアが日本の医療機関に問い合わせたところ、コロナ禍の影響で日本では海外からの患者の受入れを中止しており、またこのような特殊な治療での病床の確保は困難であると言われていました。

慈濟ボランティアは一縷の望みにかけて、范ちゃんの病気に関する資料を医師に届け、何度もやり取りを行い、お願いしました。医師によると腫瘍は治療をするのに難しい位置にあり、小線源治療を受けるのが唯一の方法であると言われました。 

病院側は来日後十四日間の隔離待機をすることを条件に、范ちゃんの治療を行うことになりました。 

コロナ禍で引き続きどのようにすればスムーズに日本での治療が受けられるか、日本台湾交流協会や台北駐日経済文化代表処、病院、そして慈濟ボランティアが協力して范ちゃんのために奔走し、最速で準備を整えることができました。

隔離中に買い物ができないため、ボランティアたちが食材を買っている。写真/山田美芳
ボランティアたちが心を込めて、隔離生活が困らないように色んな物資を用意した。写真/林真子
手袋をすると、手袋が痛みを守ってくれるとの考えが 明守くんからのお願いである事をおばあちゃんが言いました。写真/林真子

感染対策下でも途切れることのない愛

治療に付き添うおばあちゃんと范ちゃんが十四日間の隔離生活を安全に過ごせるよう、慈濟ボランティアは事前に宿泊施設へ行き、お子さんの触れる場所を全て消毒したり、生活必需品や食べ物などの用意をしました。来日後、彼らが隔離生活中に食事を部屋の入口まで届け、入院治療へ向けてサポートを続けました。(8月6日ここまで)

眼腫瘍治療の付き添いサポートのグループを設け、毎回治療の日時や内容を引き継ぎながら、仕事の合間を縫って書類の翻訳や付添いの医療通訳をしてきました。 

通例は二~六日の治療コースですが、今回は二十一日間に渡り、のべ四十三人のボランティアがかかわりました。 

范ちゃんは三週間後にようやく帰国することができました。みんなの無私無欲の愛は活発で可愛らしい范ちゃんの一日も早い回復を願っています。

ボランティアたちは外出できない保護者のためにお弁当をつくった。写真/林真子
慈濟日本分会にきた明守くんは、直ぐに竹筒貯金箱で遊んでいた。写真/李淑娟

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